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スタートアップ・ベンチャー企業の経理の仕事内容と、働くメリット・デメリット

この記事で解決したい読者のお悩み
  • IPO・上場準備に経理として関わってみたいけれど、自分に務まるか不安
  • スタートアップ企業の経理に求められる経験やスキルを知りたい
  • スタートアップに経理として転職することのメリットとデメリットは何だろう?

こんな悩みを持っている方にむけて、スタートアップ企業でコーポレート部門の責任者をしている筆者が現場のリアルを交えて解説します。

スタートアップで働くのは簡単なことではありません。特に受け身で言われたことだけをやって定時に帰りたいというような人には絶対にあいませんので、そっとページを閉じてください。

一方で、下記のようなタイプの人にはスタートアップは絶好の成長の場となります。

  • 経理としての豊富な経験を積みたい
  • スキルを上げたい
  • IPO・上場準備にかかわってみたい

この記事では、スタートアップ経理の業務内容や、経理としてスタートアップで働くことのメリット・デメリット、求められるスキルを解説していきます。

後段では、スタートアップに実際に転職する際に、失敗しないためのコツも最後に紹介していますので、ぜひ、読んでみてください。

この記事を書いているKENは、

  • 大企業からスタートアップに転職をしてCFOロールを含めたコーポレートの責任者を経験しています
  • 経理マネージャーや経理スタッフの採用や育成を実施しています

KENの経歴や実績については、運営者情報ページをご覧ください。

KEN

圧倒的な経理の経験と積める、それがスタートアップ!

スタートアップ企業でまさにCFOロールを務めている筆者が現場のリアルを交えて解説します。

目次

スタートアップの経理業務の特徴

経理というのはどの会社にも存在する機能ですので、記帳・仕訳・開示といった「The・経理」の根幹は変わりません。

ただし、スタートアップ企業というのは、他の多くの企業と比較して、下記のような特徴がありますので、経理としても対応をしていくことなります。

スタートアップ企業の特徴
  • 若い企業であるため業務プロセスやフローが未整備
  • 新しい取引がどんどん生まれてくるため、ひとつひとつ整理が求められる
  • 将来的な上場(IPO)を見据えて統制や開示の準備を進めていく必要がある

それぞれ、経理としてどのような業務が発生することになるのか、みていきましょう。

業務プロセスを作るところから始まる

スタートアップは最初なにもないところから始まります。会社設立直後は創業者しかおらず、記帳を顧問税理士に外注しているという状態からスタートします。

どのタイミングで経理としてスタートアップに参加するかにもよりますが、下記のような経理やそれに関連するプロセスを作っていくことが経理に求められます。

経理が企画・実現していく業務プロセス
  • 会計ソフトの導入(マネーフォワードもしくはfreeeが主流)
  • 購買申請・購買承認
  • 支払申請・支払承認
  • 立替経費申請・承認  

既に機能している会社(特に大企業)には当然のように備わっているプロセスですが、スタートアップはこれらを作り・運用定着させながらバージョンアップさせていく必要があります。

例えば、社員の一人が、「今度出張にいくのですが、新幹線代やホテル代はどうすれば良いですか?」と無邪気に質問してくるところから、どんなステップアップをしていくのが、ケーススタディとして考えてみましょう。

一気にいきなり完成形にいくわけではなく、だいたい、下記のような段階を踏みながらプロセス整備と改善を繰り返していくイメージです。

  • 「今度出張にいくが、費用はどうすれば良いのか?」という質問から始まる 
  • レシートを社内チャットツールでで経理に提出してくれたら振り込むよ、という経理の手作業による個別対応が始まる
  • 社員数の増加とともに件数が増えてきて個別対応が難しくなってきたので、会計ソフトの経費精算機能が使われるようになる(経理からみると会計ソフト上で一括管理しやすくなる)
  • 社員数の増加とともに「マネージャー」という役割が生まれ、出張など多額の立替経費の事前申請と承認が必要となる。会計ソフトだけでは複雑な稟議フローが組めないため、稟議専用のツールを入れるようになる
  • 社員数がさらに増え、立替経費精算に関する間接コストが増加する。申請者の手間を省くためにOCR機能(例:領収書やレシートをカメラで画像データとして取り込むことで自動で読み込む機能)のついた経費精算ツールを導入するようになる

「立替経費精算」という観点だけでも、こんなかたちで、組織の進化とともに、業務プロセスの見直しや改善が適宜はいることになります。

こういったプロジェクトを企画・実行していくのが経理チームとなります。

スタートアップにおける経理は、ルーチンワークだけではなく、プロジェクトマネジメントの要素が多く入ってきます。

会計基準に照らし合わせて新しい取引を整理

スタートアップは新しい事業やサービスを生み出していくものです。そこには新しい取引が生まれます。

新しいサービスを顧客に提供して、その対価としてお金を受け取ったとしましょう。この取引を財務諸表に表現していくことが経理には求められます。

いわゆる「仕訳を切る」ことになりますが、そもそも、生み出されたばかりの新しいサービスに関する新しい取引のため、どのように扱うべきかの前例がありません。

以下のような手続きを経て、どのように会計上扱うのかの処理ルールを作る必要があります。

  • 事業部門にどのようなサービスなのかをヒアリングする
  • 関連する契約書等を読み込む(例:顧客との売買契約書、申込書・利用規約、見積書、発注書など)
  • 会計基準(例:収益認識基準)と照らし合わせる
  • 取引の整理方針を検討する
  • (既に契約していれば)監査法人に相談し、アドバイスを得る
  • 低コストで反復できるように、業務プロセスに落とし込み、マニュアル化する

経理なので数字にばかり向き合っていると思われるかもしれませんが、ここでカギになるのはコミュニケーション力調査力といった複合的なビジネスパーソンとしての総合力です。

いままでただ従って反復することが多かった会計処理のルールを、今度は作る側に回るというのがポイントです。

IPOを見据えて管理体制を進化させていく

スタートアップの多くが将来的なIPO(株式上場)を目指しています。

ほとんどのスタートアップ企業がベンチャーキャピタルから投資を受けており、そのベンチャーキャピタルにEXIT(株式を売却し利益を得る)機会を提供する必要性を考えると自然なことです。M&AによるEXIT機会という考えもありますが、日本においてはまだまだ少数派です。

IPOを実現するとなると、上場企業と同等、場合によっては上場企業よりも厳しい管理体制を実現する必要があります。

スタートアップは、創業時の何もないところから始まり、上場企業並みの管理体制を構築するところまで、一連の過程を経験することができます。

経理の領域で言うと、下記のような観点で、上場企業並みの体制を作り上げていくことが求められます。

  • 財務諸表作成・四半期開示
  • 内部統制の強化
  • 監査対応
  • 税務申告
  • (子会社があれば)子会社管理・連結

どうでしょうか、ここまでくると、おそらく大企業の経理がやっていた内容に近づいてきたのではないでしょうか?

まさに、大企業ではすでにルーチンワークとして回っているものを、立ち上げ、ルーチンワーク化していくことが求められます。

大企業で当たり前となっているものを、スタートアップ企業でも当たり前にすることがIPO準備観点では大切なミッションなのです。

スタートアップの経理に転職するメリット

それでは、スタートアップの経理として働くメリットについてみていきましょう。

大きな裁量を持って働ける

経理のような専門職の場合は、「経理領域は丸ごと任せる」という形で経営者からデリゲーションをされることも珍しくありません。

上司からの指示を受けてタスクをこなしていくような形ではなく、みずからがチームのトップとなり、考え、企画・実行をしていくという大きな裁量を持つことができます。

また、必ずしも経理チームのトップではなかったとしても、大企業の経理と比べると大きな裁量を持って働くことができます。

成長の緩やかな大企業ではあらゆる組織が細分化され、歯車の一つとしての限定的な役割を与えられることが多いです。

成長の著しいスタートアップでは、常に組織の成長(=採用ペース)よりも事業の成長が早いため、社員一人当たりに期待される役割が大きい傾向にあります。

よって、やりたいと手を挙げてくれる人がいれば任せたい仕事というのが豊富にあります。

かつ、経理マネージャー自身もプレイングマネージャーとして忙しくしているため、あなたに大きな裁量を与えることが前提となります。

指示を受けて仕事をするのではなく、自分で裁量を持ち、自分の頭で考えて仕事をしてみたいと考える成長志向の強い人にとって、スタートアップ転職のメリットは大きいと言えます。

IPO準備に最前線で関われる

コーポレート職でスタートアップ転職をする人の多くが「IPOに関わりたい」という希望を持っています。

IPOに関わったというのは、気持ち的な面でも一生の思い出になりますし、それ以上に、キャリアの上でも強力なトラックレコードになります。

ただし、どのくらいの深さでIPOに関われるかというと、コーポレート部門の中での役割分担に大きく依存します。

例えば、人事チームの場合は、IPO準備に直接かかわるというよりも後方支援を担うことのほうが多いです。人的開示周りの資料を準備したり、IPO準備人材の採用を支援したり、ストックオプション制度の説明会のロジスティックスを担当したり、くらいでしょう。

一方で、経理チームの場合は、IPO準備に最前線で関わってきます。

  • 開示資料の準備(例:新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部))
  • 内部統制の構築・運用
  • 監査対応や監査法人マネジメント
  • 投資家向けのインフォメーションミーティングやロードショーマテリアルの基礎となるデータの準備(経営企画やIRチームと共同での資料作成)

投資家、証券会社、監査法人、証券取引所といった社外ステークホルダーに向けて、財務諸表を含む社内の情報を開示するという場面において、広く深く関与してくるのが、会社の数値管理を根底から支えている経理チームになります。

IPO準備という貴重な経験を積める機会ですので、積極的に活用をしましょう。

ストックオプションが資産形成につながる可能性がある

スタートアップ転職の醍醐味として、ストックオプションがあります。

ストックオプションとは、今働いているスタートアップ企業が将来上場をした場合に、あらかじめ決めた株価で株を買うことができる権利のことです。

急成長を遂げるスタートアップ企業の場合、まだ成長途中にあるタイミングであらかじめ決めた株価に対して、上場後の株価が大きく上回る可能性があります。

その場合には、毎月の給与からコツコツと貯金をするだけでは到底築けないようなまとまった金額を、キャピタルゲイン(株の譲渡益)として獲得できます。

当然、転職先のスタートアップ企業がしっかりと成長を続けられるか、また、上場をすることができるか、というハードルを乗り越えた先の話とはなりますので、ストックオプションに過剰に期待をするべきではありません

とは言え、自分が働くことで成果を出し、会社の成長に貢献をできた場合に、その会社の成長に連動したリターンが得られる可能性があるというのはモチベーションにつながりますよね。

スタートアップとストックオプションについては、こちらに詳しくまとめていますので、よければ読んでみてください。

圧倒的な成長につながる

大企業に比べてスタートアップでは3倍のスピードで経験ができる

スタートアップで働くことの成長の速さを表してよく言われる言葉ですが、これには通常ふたつの意味があります。

ひとつは、スタートアップは試行錯誤の連続であるため、意思決定が早く、一社にいても多くのことを経験できるという意味。

もうひとつは、少人数で多くのミッションを抱えているスタートアップは、ひとりあたりの活躍の場が大きいため、裁量を持って働けるので学びが多いという意味です。

経理の場合は、さらにみっつめの意味が加わってきますね。

それは、「通常は決まったプロセスを回すことが求められるが、プロセスを作る側を経験できる」ということです。

実際に経験した人は分かると思いますが、ある種機械的にプロセスを回していくのに比べて、あらゆるケースを想定しながら最適解を探すようにプロセスを作っていくという行為において、得られる経験の質と量において雲泥の差があります。

例えば、下記のようなスキルを向上させることができます。

  • 戦略的思考:ゴールから逆算をして、課題を特定し、解決施策を考える力
  • 意思決定力:アクセス可能な(通常は不完全な)情報をもとにしてトレードオフを考慮しながら合理的な選択をする力
  • スケジュールマネジメント:期限から逆算をして、タスク分解を行い、トラッキングを行う力
  • ステークホルダーマネジメント:周囲の関係者の支援を得たり、利害関係を調整しながら仕事を進める力
  • 創造力:ゼロベースで物事を考え、新しいやり方や解決方法を考える力

また、裁量を持って働き、プロセスを構築し・安定運用まで実現したという成果は、職務経歴書に書くことができる実績となります。

自信にもつながりますし、キャリアの中での「経験値の引き出し」となります。

似たような業務やプロジェクトに関わった際に、「こうすればうまくいく」「ここに落とし穴があるので気を付けよう」といった横展開が可能となりますので、労働市場での価値向上の強い武器となります。

スタートアップの経理に転職するデメリット

成長できるかどうかは自分次第

スタートアップ企業はリソースが限定的なため、教育や研修制度が十分に整備されておらず、OJT(On the Job Training)が中心になりやすいです。

また、上司がプレイングマネージャーであることが多く、上司自身が個人としての大きなミッションを負っており、メンバーの育成に割ける時間が限定的というのもスタートアップあるあるです。

そのぶん、裁量を大きく持って働けるというメリットの裏返しとなりますが、上司から教えてもらう・指示をもらうのを待つような受け身の仕事スタイルではあまり成長できない環境です。

手取り足取り丁寧に教えてもらったほうが伸びる、言われたことをこなしていくタスク仕事のほうが合っているという方にとって、スタートアップはつらい環境となります。

柔軟性が求められる

スタートアップにおける経理職は二つの意味で柔軟性が求められます。

ひとつは変化の激しさです。事業の方向性、サービスの内容、社内管理体制の方針などが状況に応じて頻繁に変わります。

そのたびに、経理として作り上げた業務プロセスやルールをアップデートする必要が出てきますので、変化に対応する柔軟性が求められます。

ふたつめは役割の柔軟性です。スタートアップはヒト・モノ・カネという資源が相対的に少ないため、少ない人数で最大のアウトプットを出そうと模索します。

その中で、特にアーリー期のスタートアップにおいては、コーポレート部門に人でを割くよりも、プロダクト開発や営業部門に人件費を投下したいという話になりがちです(ほぼ、そうなります)。

その中で、例えば、下記のようなリクエストが経営者から来たりするものです。

  • 「経理なんだけど、一時的に労務も兼務してもらえないか」
  • 「経営企画チームを組成するまで、経理で予実管理をやってほしい」

アーリー期のスタートアップでは、基本的には「求められたらなんでもやる」という気持ちでいないと生き残れません

年収が一時的に下がる可能性がある

リソースが潤沢な大企業に比べると、スタートアップの給与水準は見劣りすることが多いです。

スタートアップの給与水準も上がってきかので、過去に比べるとギャップは縮まってきています。それでも、多額の賞与が出やすい総合商社などの大企業と比較をすると、スタートアップの年収は下がります

成果を出すことで将来的には挽回できる可能性もありますし、また、年収が下がる分を補う意味でも、ストックオプションがもらえるようでしたら、キャッシュ+ストックオプションのトータルリターンを5年スパンで考えてみるのがよいでしょう。

絶対にキャッシュとしての年収を落としたくないという方は、転職エージェントをしっかりと活用して年収交渉をすることも考えられます。

しかしながら、スタートアップ転職において、年収交渉をあまりにハードにやり過ぎると、「スタートアップの現状が分かっていない」「ミッション・ビジョンや事業よりも自分自身にベクトルが強く向いている」というネガティブな印象を与えてしまいます。このあたりの塩梅こそ、プロである転職エージェントが付加価値を出せる領域です。

現職の年収が相応に高く、どうしてもそれをキープしたい場合には、無理にスタートアップに転職をするのは止めたほうが賢明です。

スタートアップの経理に求められる経験やスキル

スタートアップ経理は、成長意欲の強い人でないと向かない、というのは理解してもらえたと思います。

ただし、成長意欲だけがあっても十分ではありません。

成長意欲はあったうえで、どのような経験値やスキルがあればスタートアップ経理として成功をしやすいのか説明します。

一般的な経理経験は大前提

言わずもがなの大前提ですが、一般的な経理経験はもちろん必要です。

分岐点としては、連結決算税務の経験がどこまで問われるかというポイントでしょう。

アーリー期のスタートアップであれば単体決算で十分ですし、税務申告もシンプルなので税理士の先生にお願いをすることで大きなリスクはありません。

一方で、将来的に会社が成長し、M&A等を通じて子会社が増えていったり、固定資産を大きく持つようになってくるなどがあるのであれば、将来的なIPOも見据えて、連結や税務の知見が会社としては必須となってきます。

よって、経理チームのマネージャーを目指したいのであれば、連結や税務の知見は必要となります。メンバーとして学びながら成長をしたいというのであれば、連結・税務は必須ではありません

企画力・プロジェクトマネジメント力

スタートアップ経理での成否を分ける重要なスキルの一つがプロジェクト推進力です。

業務プロセスをゼロから作る場面が多いため、下記のようなことを実現するスキルとそれを可能とする経験の幅が求められます。

  • 将来的に上場する際に求められる統制のあるべき姿を理解している(例:上場企業の経理出身で、上場後の出来上がった姿を知っている。監査法人出身で、あるべき姿を知っている・実現をサポートしてきた経験を持っている)
  • スタートアップとしての成長フェーズを踏まえて、過剰過ぎない統制を置き、低コストで回すことができる業務プロセスを設計する(例:経理としてのあるべき論だけではなく、会社の実情に合わせた等身大の仕組みとする)
  • チーム内外のステークホルダーへ丁寧に説明をし、業務プロセスの構築と運用の合意形成をはかれる(例:立替経費精算の業務フローに関して全社説明会を行う)
  • 組織の規模拡大や取引ボリュームなどを見越して、業務プロセスを見直していく

経理出身者の方で苦労しがちなのが、2点目と3点目のポイントです。

いきなり最終形でガチガチの統制が効いたものをスタートアップに導入しようとして回りの反対にあったり、コミュニケーションが苦手で独りよがりで推進しようとして協力を得られなかったり。

ただし、これらができると、経理としての市場価値が一気に上がりますので、1点目が満たせており、2・3点目は注意しながらやってみたいというのであれば、チャレンジのしがいは十分にあります(やりながら学べる要素であるため)。

新しい取引を整理し、監査法人と握る

前述したスタートアップ経理業務の中のひとつ、「会計基準に照らし合わせて新しい取引を整理」を実現できるだけのスキルや経験は必要です。

やはりスタートアップは新しいサービスを生み出していくもの。そして、売上の成長こそが大きなカギなので、特に、売上を収益認識基準と照らし合わせて、正しく計上できるかというのが分かりやすいベンチマークとなります。

このためのスキルはおおよそ下記のような要素に分解できます。

  • 事業部門と信頼関係を構築して情報を引き出すコミュニケーション力
  • 契約書を読み解き理解する力
  • ヒアリングや契約書からビジネスモデルを想像し図式化する力
  • 会計基準を読み解き応用する力
  • 監査法人との着地点を想像しながら戦略的にコミュニケーションプランを設計する計画力

全てにあらかじめ満点をとれている必要はありません。ただし、なんらか似たような経験や応用できそうなスキルを持っていることは重要となります。

逆にこれらにドンピシャな経験やスキルを持っている人は採用面接で積極的にアピールしましょう。

スタートアップへの経理転職で失敗しないために

目的を明確にしておく

スタートアップ転職の業務内容、メリット・デメリットで説明をしてきたように、スタートアップは大企業と大きく異なります。

メリット・デメリットに共通して言えることは、成長志向が強い人にとっては最適な職場になるということです。

  • 「裁量の大きな仕事をしたい」
  • 「IPO準備プロセスに関わってみたい」
  • 「長いキャリアの中で武器になるような経験値を積み上げたい」

そういった「攻め」の目的意識を持って転職をしたいという方にスタートアップ転職をおすすめします。

もし、受け身で指示待ち体質であるのに「IPO準備が勉強になると聞いた」というようなふわっとした理由でスタートアップ転職を目指すのは止めたほうが良いです。あなたにとっても、採用したスタートアップ企業にとっても不幸な結果となります。

転職エージェントを主体的に活用する

転職活動は情報非対称性の世界です。

職務内容、IPO準備のステータス、職場の雰囲気、企業カルチャー、同僚の人となり。究極的には実際に働いてみるまでは本当のところは分かりません。

どんなに事前にデスクトップリサーチをしても、面接で多く質問をしても、転職エージェントにヒアリングをしても、やはり実際に働いてみてから感じるギャップというのはゼロにはできません。

ただし、それでも、転職エージェントを通じた情報収集というのには、他にはかえられない価値があります。

なぜなら、転職エージェントは、転職先企業のことを第三者として観察できる立場にあり、かつ、転職者がしっかりと対象企業にフィットすることを目指しているからです。

転職エージェントのビジネスモデルは、対象企業に転職者を紹介し、転職が実現したタイミングで成果報酬として紹介料を受け取ります。ただし、転職者がすぐに退職をしてしまった場合には返金条件が付けられているのが一般的ですので、無理やりに転職させるようなことはしません。

そうしてしまった場合には、「マッチしない転職者を押し付けてくる転職エージェントだ」という烙印を押されて、敬遠されるリスクが高いのです(残念ながら、そういうことをする悪質なエージェントがゼロとは言い切れませんが・・・)

よって、転職エージェントに対しては、自分の希望をしっかり伝えて、それにマッチする案件を紹介してもらうようにしましょう。

主体的に、転職エージェントを「使う」意識を持って活用しましょう。

転職エージェントは下記のような場面で付加価値を発揮してくれます。

転職エージェントの活用の仕方
  • 自分の希望を明確に伝えて、それにあった企業を紹介してもらう。ただし、完璧を求めると青い鳥症候群におちいってしまうので、優先順位をつけるようにしましょう(例:IPO準備中の企業であること、経理マネージャーとして入社できること、ストックオプションがあること)
  • 実際の会社の雰囲気についてエージェントの意見をもらう。「面接でこんな風に感じたのですが、実際のところどうですか?」という聞き方をすることで、エージェントとしてもミスマッチを防ぐために客観的な情報を提供しようと頑張ってくれる可能性が高まる
  • 入社時期や年収についての調整を依頼する。特に年収の部分は、どうしてもこれ以下だとオファー受諾ができないという辞退ラインがある場合にはエージェント経由で交渉をしてもらうほうが気が楽です。

転職エージェントとしては、当然、成果報酬のために、転職を実現させたいというインセンティブが働くので、転職を実現する方向に傾きやすいのは事実です。

よって、それは当然の前提として受け入れた上で、転職エージェントをうまく「使う」心持が重要になるのです。

「転職を実現させるために、こういう企業を紹介して欲しい。こういう情報が欲しい。こういう条件を調整して欲しい」という形で、うまく活用をしていきましょう。

スタートアップ転職に強い転職サイトやエージェントをこちらの記事で紹介しています。

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